長走川赤抜ゲ沢〜杉の沢下降(2/3) 前のページへ   

◆8月16日 曇り時々にわか雨、一時晴れ

泊地6:50→第1連瀑帯→第2連瀑帯→12:20 3の左股→高立山稜線14:00→杉の 沢支流出合手前(泊)18:20

<赤抜ゲ沢の遡行>
. 河原を抜けるとごく小さなスノーブリッジが現れ、これをくぐると滝が連 続する。白い岩に日も射し込んできてなかなか楽しい。【写真:右、左下】
. 快適に越えていくと、増水で二条が一条になった20m弱の滝が現れ、この水 量では直登は無理だ【写真:右下】。左から巻いていくがやはり飯豊、傾斜はきつく腕がパンプ しそう。高巻きを続けているとまた雲行きが怪しくなり豪雨になってしまう。下 を見るとその滝の上には20mほどの華麗な逆層スラブ滝などいくつか滝がある ようだ。
. 連瀑上部に下降すると流れは、また濁流に逆戻りだ。しかし川の流れは瀞 や小滝を形成しこの天気でも結構楽しい【写真:下左】。去年の都沢中流部ゴルジュをかわいく したような感じだ。
. 沢山の滝や狭いゴルジュを越える。このあたり、非常に連 続して次々に越えていくのでどうも記憶があいまいだ。取ってきた遡行図や写真を見 ても前後の記憶がはっきりしないのは越後の銅倉沢以来である。まあ、とにかく 面白かった。
. 両岸草付となり再び谷が極度にせばまり第二の連瀑帯となる。これも左か ら厳しい高巻きとなり、下ると30m3段程の右からの支流が出合う上に出る。 ま たいくつか滝を越えていくと30mほどの雪渓をくぐる。このあたりからやや倒木 がうるさい。今年の豪雪による雪崩のためだろうか。
. 釜を持つ樋状の3m滝が意外に厳しく、手練れの鈴木氏はとっとと登って しまったが、わたしや大草氏は釜の水を何度も飲む羽目になる。ここで大分時間 を費やしてしまう。
. 奇麗な3段15m程の滝を越えると最後の二股の手前の左からの枝沢に出合う 。これ以上行くと藪の中のピバークに成りかねないし、何れにしろ遡行はほとん ど終わりなのでここから枝沢を左に入ることにする。ついに今回の山行は登りで 一度もザイルを使わなかった。最期は結構厳しい藪こぎになりどごが尾根線かは っきりしない稜線に出る。幸い視界は利いている。
<藪の迷路から杉の沢>
. 尾根は高原状ではっきりせず所々ある踏跡も断続的だ。所々クリーク状の 溝が流れる台地上を右往左往してずいぶん時間がかかる。地図と磁石だけが頼り だが現在位置をつかむのは難しい。結構勘が勝負を分ける。去年来ていることが とても力になる。下降点を間違えると赤抜ゲ沢に戻ってしまう。
. 3時間ほどうろ うろしてようやく下降点らしき場所へ出る。 . 熊道になった尾根を最後は左に下ると沢筋へ、15m程の滝を懸垂して6時20 分、滝下の左岸にまずまずの台地があってようやく本日の行動は終了とする。
時 間切れすれすれの行動の果てには必ず良い泊まり場があると言うラッキーなジンクスはここでも生きていた。焚き火を集めテントを張るともう真っ暗だ。
昨日十 分寝ているし明日は下山、先も判っているので今夜は酒ををあるだけ飲んで12時頃まで、くつろぐ。緊張感も何もない解放された夜は楽しい。

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