白馬岳周辺から柳叉谷滑降・北又谷横断〜初雪山
〜 清水谷滑降、朝日岳、長栂山・・日本海を目指して 〜
古元 一弘
◆日程 :前夜初4泊5日(電車)
◆コース :
◆地図(1/2.5万図):白馬岳・白馬町・黒薙温泉・小川温泉・親不知・越後平 岩
◆装備 :ピッケル、アイゼン、ハーケン2(以上各自)バイル、ロープ(7mm30m) 各1
ことに日本離れした環境と眺望を誇る柳叉中流域右岸と源流の旭岳カールをス トレートに結ぶ唯一の回廊である柳叉谷の険しい廊下帯は、夏でも年に数パーテ ィも通過を許さない。もしかしたら積雪期には誰の通過も許していない可能性も ある。前回、下流から望んだその姿は、まるで周囲の白い山肌をナタで割ったよ うに黒々と、余りにも険しくそびえていた。果たして通過できるだろうか。・・ ・・・・
◆第1日 ( 晴〜霙・あられ〜晴 )
. 最後の登りは霰と強風で散々であった。小屋についたのは17時近かった 。今日は数年ぶりの小屋泊り食事つき。食事も山としては上々で、食堂には樽酒 がセットされ、呑み放題なのだが、疲れのせいで大してのむことができなかった 。ことに呑ンべーの鈴木氏と私は悔しがる。残念!。
. 2日以上続くはずの悪天候はたった3時間で終わり、食堂には金色の夕日が 射し込んで、剣、そして富山平野と素晴らしい展望を垣間見ることが出来た。
◆第2日 ( 曇時々晴れ ) 〜お山の休日〜
. 小屋の下でスキーを履き、そのまま旭岳コルまで斜滑降、この先広大な中斜 面が開けるが、アイスバーンが緩まないので体が冷えてるまでの 30 分程岩陰で風を避けて、早々にお昼寝である。空は高曇りで時折薄日が射す。 さっきより心なしか多少緩んだ広大なアイスバーンを剣岳を正面に快適に飛ばす 。谷に降りる所だけはやや急だがあとは延々と広大な中斜面が剣を正面に続く。 非常に快適な斜面である。
. 反対側に登り返して鑓ガ岳方面に登るが、途中で雪がはげていた。私は一瞬 行こうかと言ってみたが、山頂は結構彼方に見えるのでみんな厭戦気分。今日は 基本的には休養日なのでこの 2800m 当たりから、引き返すことに決定。稜線南側の中の谷〜天狗の庭方面はほとん ど雪が無く、まるで火星のようだった。
. 帰りの斜面も最初と最後の僅かをのぞけば延々と中斜面が続き実に快適で あった。稜線からちょっと離れただけであれだけ沢山いた人はどこにも見えない 。気持ちよい斜面を独占し、半日行程とは言え合計 1000m 強の標高差を滑り2時半には小屋に戻る。
. テントを張ろうかとも考えたが今夜の天気が悪そうだし、やっぱり小屋泊 まりは楽だ。明日以降のハードスケジュールもあるので、自炊だが、小屋泊まり 2泊目に決定する。すぐ談話室で宴会モードに突入、 5 80円の貴重な缶ビールで乾杯。珍しく隣に若いお嬢さんパーティがいたので盛り 上がり、少し飲み過ぎてしまう。のんびりのどかな1日であった。
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