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<初雪山大滑降、大平、日本海へ>
 初雪山からの滑降も視界がないため予定の北面大滑降を断念、前回の初雪山 往復時と同じ北西尾根から下る。1400mからは視界も良くなって大斜面、900mぐ らいまでは無木立に近い膝下程度の新雪の大斜面を歓声を上げて下る。めったに お目にかかれない最高の雪質だ。前迫氏は武藤さん流のヒョイヒョイバタフライ をマスターして絶好調、私はさっきの雪稜でストックを片方落としてしまったの で今一つリズムに乗れない。前方には日本海が灰青色に鈍く輝いているのが見え ている。

↓photo/前迫:初雪山北尾根を日本海目指して滑降

 下るに従い木立は多くなっているが前回より積雪量がだいぶ多いようでブッ シュも少ない。滑りも林間スラロームというよりは大回転程度。雪はどんどん重 くなるが均一なため最後までまずまず快適に滑る。悪雪になっても大宮氏は粘り 腰で体力に物を言わせて下りてきて心強い限りだ。600m辺りから稜線右手の天然 の杉木立を斜めに抜け、最後のやや沢身になった急斜面を下りきると標高300 Mの林道に出る。感謝感激涙物の大滑降であった。

 ここからが今回は結構大変であった。林道に雪は2m余りも積もっている。 山の斜面がそのまま川に落ち込んでいる。ズルッと滑るとそのまま河原に転落だ 。何とか下ると雪は大平トンネル付近でほぼなくなりこの手前から初雪山のガス がはれた。青空に真っ白いピラミッド聳えその美しさに皆感嘆する。あそこを滑 ってきたんだね。そして何度見ても美しい山だ。

↓photo/大宮:林道から振り返る初雪山(右が筆者)

 下り着いた大平の廃校には謎の美女と犬がどのようないわれかフィリピン人 らしい子供たちを世話して暮らしていた。我々が行くとお茶などをふるまってく れる。何年か前もここで暮らしていたとのこと。こんな寂しいところで暮らすに は確かに子供たちがいてくれると慰めになるに違いない。ここで電話を借りてタ クシーを頼む。車に乗るとすぐに海岸に出た。例によって境鉱泉で風呂と食事を する。充実の乾杯、ビールがまたうまい。越中宮崎駅まで歩いて、ここから雷鳥 〜上越新幹線を乗り継ぎ帰京する。・・・当初予定より2時間半の遅れであるが やる事は全て済ませた。

今年くらい雪が有れば4月半ば迄は充分滑る事が可能であり、また、黒岩谷出 合あたりでも北又谷横断は 可能であろう。黒岩谷大滑降、初雪山の展望と北面 の大滑降と残した夢も多い。今回のコースは初雪山への登りがやや厳しく、この 部分だけは考え直した方が良いかも知れない。これでは犬ヶ岳をパスした意味が あまりない。

 今回の山行は2泊3日のコースとして充実した素晴らしいコースであり、メ ンバーにも恵まれ、予定通り完走する事が出来た。メンバーと鈴蘭の先人たちに 感謝したい。

走破距離:37km 滑降距離:18km 滑降高度:3900m(シール: 300m)    

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