(冬尾瀬紀行:続き

黒森の梢をくぐる陽の光 きらきら見せる小雪が流る

きらきらと光のかけら追いかけて舞雪けりてあの峰目指す

ワッサワサと深雪かき分け進めども道ははるかに燧へ届かず

 裾野を過ぎ、ようやくはっきりした登りになった頃、既に日差しは木々の影 を長く伸ばしてきた。最後の休憩でビールを開け、そのパワーでもう一がんばり 。森林限界の2050m付近で16時となり引き返す事にする。シールを外し黒い森 の中に浮かぶにピンク色に染まって行く尾瀬沼を眼下の滑降もあっと言う間に終 わり、深い森の中を彷徨うように滑り、歩いていく。何とか真っ暗になる前に尾 瀬沼に飛び出す。黄昏ていく空の色を映す尾瀬沼はとても不思議な色に光ってい る。もう一番星が輝いている。ヤレヤレ

  たそがれて移りゆ空のむらさきを 映わす雪色尾瀬沼の冬

◆2/12尾瀬沼〜大清水平〜皿伏山〜白尾山〜戸倉スキー場

 寝坊してしまったのでまた出発も8時を廻ってしまった。朝起きたときは氷 点下20度近くあったのがもうぽかぽか陽気。今日も快晴、尾瀬沼の空は限りな く広く燧は美しい。

  尾瀬沼の白き雪原貫ける 我ら行くあと空へと続く

 尾瀬沼を気持ちよく横断ししばし深い森をさまよい,ぽっかりと大清水平へ 出る。それから皿伏山までまた森が深い。今日はラッセルも順調にすすみ、南面 ではシールにへばりつく腐れ雪に苦しみながら、燧よりは小振りな黒い森の中を 白尾山に達する。周囲には奥利根の山々が真っ白に続き素晴らしい。ここから冬 路沢まで高差500m程は快適な斜面だが南面なので雪が腐り気味だ。冬路沢を渡 ったところで、また妙に考えすぎて道に迷い1時間ほどタイムロス。林道をやっ と見つけて、戸倉スキー場に出た頃は今日もまた一番星が輝いていた。あ〜疲れた 。

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