96年2月10日〜12日

尾瀬沼冬紀行 

古元 一弘   

◆コース

◆メンバ : 直野、古元、柏木

◆地図  : 1/2.5万図 三平峠、燧ヶ岳

◆2/10戸倉〜三平峠(予定は長衛小屋)

 ゲートの前で仮眠、車は町営の1番下の駐車場へ置いておく。昨夜から10cm 程雪が積もり、大清水までの林道はスキーで歩くことが出来る。ここからクロ カンの2人組と山スキー4人組3パーティが大清水まで抜きつ抜かれつ。大清水 からは4人組が脱落し、クロカン組と交互にラッセル、すね〜ヒザしたくらいの ラッセルが続く。一ノ瀬では軽のシールが外れ着かなくなって、3カ所で針金で 縛って出発、この当たりから軽は音を上げ始めたので、ガンバレ、気力、根性ダ !っとまるで大学生の錬成みたいになってしまった。  

荷物を移したりして何とかがんばるが、なかなかはかどらない。焦りのため進 路を少し左よりに取りすぎますます時間をロスし、ついに三平峠付近の樹林でツ ェルトピバークする事にした。ツェルトを張っていると外におっぽり出した日本 酒があっと言う間に凍っていく。それでも幸いほとんど風がないので快適なピバ ークが出来た。軽の荷物は日本酒がビン毎出てくるは豚汁は汁ごと出てくるは, 恐れ入る。やっぱりちゃんと教育せねばいかんわい。

日本酒も凍れる寒さもツェルト張り

      鍋など作ればそれで幸せ

◆2/11 三平峠〜長衛小屋〜燧ヶ岳森林限界付近〜長衛小屋 

 朝になると未だ雪は舞っているが風もなく雲は薄い。雪が深いのでシールを 貼ったまま直ぐ下の尾瀬沼に下り沼の上を長衛小屋を目指す。沼の上の雪は締ま っていて歩きやすい。次第に雲が晴れ、雪雲の中から燧ヶ岳が姿を現す。広々と した開放感、空の広さ、針葉樹の黒い森に囲まれた静けさ。やはりここは来るだ けで素晴らしい  

  雪光る尾瀬沼立てば燧ヶ岳と空の広さを君に云いたし

 小屋には10時前に着いたが、困ったことに、あまりの大雪で冬季小屋の入 り口が見つからない。小屋番も出かけていて聞くことも出来ず、燧遠征に行かな い柏木に入り口の捜索を任せて燧へ出発する。

 もう11時近く、かなり厳しい時間だ。浅湖湿原の奥から上陸し針葉樹の美 しい深い森の中を進む。5mを越える積雪でも樅などの木は大きく立派に聳えて いる。振り仰げばもうすっかり雲もなくなった青空から、かすかに舞う残り雪が 木漏れ日にきらきら輝いて、幻想的な雰囲気を醸し出す。しかし次第に深く膝ほ どもあるラッセルに苦しめられ、歩けども歩けども燧は遠い

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