96年4月28日〜5月1日

飯豊連峰縦走 (飯豊川横断、大又沢源流〜桑の沢滑降)

記:古元一弘           

◆日程  午後発山中2泊3日+予備1日

◆コ ース 

◆メ ンバ 古元一弘,鈴木孝治
◆地形図 1/2.5万図 長者原、大日岳、飯豊山、川入

. 今年は当初は北アルプス針ノ木〜笠あたりの縦走を考えていたが、飯豊川男 の別名を奉 っ た鈴木氏からお声がかかり、どちらも雪の飯豊は初めてなのに出 発4日前、飯豊川横断を含む飯豊縦走をでっち上げてしまっ た。 飯豊川横断は 確か少なくとも1回は記録があったように思うが定かではな い。飯豊川はとも かく飯豊本山からの下山コースは 左右の沢筋が割 合稜線と平行に適度な斜度で 方向に走っていて走っていて、快 適な滑りが期待できる。 真っ直ぐ走れば3 日 で抜けられるコースであるが、予備1日と して3泊4日で計画し た。

◆4月28日:快晴

<アプローチ>
. 珍しく午後の出発、5時過ぎの山形新幹線つばさで米沢経由で小国まで、21 時40 分着、早速ねぐらとビールを捜索し一夜を明かす。12時近くまで酔っぱら い が 駅前を車の待ち合わせで使っていて割と騒々しい。子国は標高230mだが豪 雪 、寒春の今年は未だ桜もほころんだばかり、緑もブナ だけが転々と明るく色 づ いている。長者原への道を入ると未だ標高100m少々か ら 積雪が現れ驚く。タク シーにて長者原カイラギ荘手前まで、所用50分7500円弱であった。

<やや恐怖の林道から>
. たった標高250mでもう1m以上の積雪である。玉川の左側行くわけだが、所々 この道は雪の斜面となっていて、滑れば玉川に転落して し まう所がある。幸い 既に若干の踏跡がついていてそれほど通過は困難ではな い。 地元では雪崩のこ とをうるさく言っていたが既に雪崩は落ち終わっている 。それ でもいやらしい ので結構時間がかかり、飯豊山荘前まで3時間弱かかって しまう 。
. ここから丸 森尾根か梶川尾根を登ろうともくろんでいたのだが、どち らも急斜 面でかつ雪 がかなり上部までギタギタになっていて困難が予想される 。計画をここで変更 し残念だが大雪渓コースに変更する。

←石転び沢出合(古元)

. しかしこのコースは 上部のピバークが不可能だから是が非でも登り切って梅 皮小屋まで登らなくて はならない。長いア プローチは遅々とし てはかどらず 、こちらも本日中に登り切れるか不安がつのる。スキーでの長い 平地歩きは意 外に時間 がかかるし体にもこたえる。小さな ダム越え、滝沢出合 手前からよ うやく雪渓が 続くようになるとさすがに歩程は はかどり、2時前に 石転び沢 出合に着く。

<大雪渓を上る>
. 雪渓は案外きれいでデブリも多くはなかったが、ゴゴゴッゴと言う音ととも に 時折小雪崩が発生する。一度は右の北股岳方向の枝沢から大きいのが出て、 雪 渓 半ばを越えて目の前までデブリが止まらず、大いにビビる。2時間ほど登 り、急登になる頃、そろそろ本格的に疲れがまわってきて目が回 り、交代でば て始める。

              大日岳を望む(古元) →

. ふらふらになりながらようやく日没寸前、カイラギ小屋にたどり着 く。行動 時間11時間、午後発で前夜たんまり寝ていてもこの騒ぎだか ら夜行で来ていれ ばカイラギ小屋までたどり着くのはかなり困難だろう。意外にも小屋にはだれも おらず、陽のぬくもりがまだ暖かい小屋でゆっくりとくつろぐ ことが出来た。 鈴木さんは重い重いと言いながら昇汞酒を2Lも持ってきて、この 甘くした熱 燗が冷えたからだに最高にうまい。

. さて明日のコースの検討、大雪渓での雪崩 のヒヤリとした経験から、一瞬飯豊川横断の中止も考えたが、地図を詳細に検討 すると大雪渓左岸までは危険な斜面は存在せず、雪崩の危険性はむしろ多くはな いと判断した。

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