厳冬期の尾瀬沼・燧は春うらら(2/3) 前のページへ   

◆ 2/9 晴れ〜快晴

 4時起床で6時出発は小屋小屋泊まりでは楽勝、5時過ぎには彗星を探してみるが残念ながら薄雲がかかっていて見ることは出来なかった。

<燧登頂へ>

 まだ暗い尾瀬沼を横断、浅海湿原から上陸し、深い森の中を進む。

この森の針葉樹達はとても立派で30m以上の高さでそびえている。やがて背後から木の間越しにオレンジ色の朝日が昇ってくる。

 わずか2時間でもう眼下に尾瀬沼が望め始める。5時間以上を要した昨年と比較にならない程楽だ。ああ、今までの苦労は何だったのであろうか?

 森林限界付近からは右手のカール状を上る。すり鉢の底状でビールを開けてから燧を目指す。頂上直下は右のやや急斜面をトラバース気味に上り少し緊張、風もほとんどない頂上に立つ

尾瀬ヶ原、奥利根、奥只見、南会津と大展望が開ける。ビールもここで開ければ良かったと悔いるほど暖かい。のんびりと記念撮影などして滑降の準備に移る。

<北面〜東面ダウンヒル>

 さて滑降は眼下に見える尾瀬沼めがけてではなく、ちょっとひねって、快適な斜度が連続する北面〜東面の好斜面を巡回するコースをとる。私としては90年2月にこのコースを狙って以来7年越しの対象である。

 上部は無木立の広大なバーンだが、ウインドクラスト気味で快適ではない。熊沢田代上で所々樹林が出てくると雪もふわふわになり、歓声を上げて下る。

 あ…み、宮沢さん、すーぱぁボーゲンで僕の美しいシュプールが…。鈴木さんにしろ宮沢さんにしろシュテムもまともに出来ないゲレンデスキー音痴であの悪雪をほとんどこけもせず降りてくる。パワーというかセンスと言うか、いやはや脱帽である。

 鈴木氏は言わずもがなであるが、宮沢さんは初山スキーが白馬大雪渓で上から下までボーゲンで降りたとか。まったくすごい連中だ。(良い子は決してまねをしてはいけません)
でもあれだけ出来るのだからちょっとコツをつかめばもっと快適に滑れるのに…

 熊沢田代のすみを通り抜け、壁を降りると東田代上の沢型に入る。要所を見つけて3mほど階段で上り東田代へ。静かで美しいこの田代でお昼にして、更に南東の尾根に下る。南面にも関わらず深い針葉樹林のため雪質はまずまずで気持ちよく下る。途中カモシカさんを追っかけ回してしまってお気の毒。

 硫黄沢にぶつかるところで林道に出て標高差800mの滑降がようやく終わる。快適な中斜面が連続し、湿原が点在する実に楽しいコースだった。


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