95 年 7月 29日 〜 30日 <南アルプス> ◆日程  : 前夜発1泊2日(車)

早川黒桂河内黒桂滝沢(二ノ右股)

 〜 面白い沢見つけた 〜 古元  一弘 

◆コ ース:

◆メ ンバ : 古元一弘 直野淳 直野清美
◆地形図 : 1/2.5万図 新倉

.  黒桂河内と書いて「つづらこうち」と読む。南アルプス白根南嶺の笊ガ岳の北、 這松尾に突上げる長い沢である(本谷は2万5千図上で30cmもある)、2年前本流 を詰めたときは、2泊3日でのんびり行けたので、今回は記録が見あたらず、最大 の支流で本流より流程が短い二ノ右股(仮称)を1泊2日で狙ってみた。
.  黒桂河内 は本流もここも南アルプスの沢らしくゴーロが多く、荒れたところもあるが、水 量豊富で滝・滑・釜・淵が数え切れない程沢山あり、野趣に溢れた沢である。また 、攀り、泳ぎと、ほとんど水線沿いに快適に突破でき、かつさほど困難なところ もなく、充実した遡行が味わえる。

.  沢の世界でも一般に記録の紹介されている 沢、有名な沢以外のところの遡行価値は少ないと言われる。沢にラベルを貼る遡 行価値云々に対する議論は別にして、未だ人知れず良い沢は存在していることを 確かめることが出来た。
.  関東周辺の1泊の沢で、2日間たっぷりと楽しめる点は 屈指のもので、本谷も結構良かったがこちらはよほど飛ばさないと3日を要し、 この谷の方がより、見所が凝縮されているのでお勧めである。これだけ面白い沢 が未記録(探せばあるだろうが)のまま残されていたのはに近く、この意味では全 く快心の山旅であった。次に何が出てくるか全く判らないってのは実に刺激的で 面白い。(なんて言って喜んでいられるのは実は今のうちなのであったが・・・・・)

◆7月29日 晴〜曇
.  前夜は異様に暑い夜であった。前夜は甲斐岩間の駅で寝たのだが、駅舎の影で は熱くて眠れず、風通しの良いホームでシュラフカバーにも入らずごろ寝。それ でも未だ暑くてなかなか眠れなかった。下山が遅くなりそうなので、車を1台内 河内広河原の登山道入口にデポして下部ゴルジュへ向かう。このときカメラを忘 れてきてしまった。大失敗!

<下部ゴルジュ帯へ>
. 今回は早起きしたので下のゴルジュを見聞しようと早川の出合から入渓。しか し延々とゴーロ歩きが続き、堰堤の高巻2回と時間がかかるだけでお勧めではな い。散々とゴーロを歩いた末、黒桂河内の名前の由来となったと思われる曲がり くねったゴルジュは、いきなり厳しい泳ぎでNG、その後も悪い滝が続き、初級者 混じりの我々の力では突破は望めず、高差100m以上を林道まで高巻く。林道から はゴルジュ帯中程まで小尾根上を獣道が続いているようで、これを下り、左に懸 垂すれば効率良くゴルジュ帯入口付近にでれると思う。下部ゴルジュ突破を目的 とするならこれがお勧めのようだ。ま、またにしよう。
<取水ダムから遡行再開>
. ほうほうの体で林道から取水ダムまで。暑くてたまらないので小さなダムで一 泳ぎ、ここから再入渓。すでにお昼を回り、今日のテン場までたどり着けるかど うか心配な状況に陥る。最初の12m滝は右から明瞭な踏跡(?獣道)を巻く、時間が ないのでこれに続く暗峽も一緒に巻いてしまう、この上は前は淵があったり滑滝 があったりしたはずだが今回は埋ってしまってゴーロ状だ。

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