海の見える白鳥山で山スキー (2/2)

◆3月5日 晴れ、時々時雪

明るくなって起き出してみると昨夜から の積雪は30cm強はあろうか。天 気は晴れ間が出たかと思うとまた吹雪と、安定しないが視界は良好なので、白鳥 山登頂を目指し出発する。途中900mあたりから尾根上は木が無くなり森林限 界を思わせる。時雨雲が去ると太陽が顔を出し、逆光にに 白鳥山北面の穏やかな景色が浮かび上がり、目指す我らの心を奪う。

ラッセルもさほど深くなく、この人数だから苦にはならない。なだらかで特に 危険のない尾根をみんなで山頂を目指す。県界尾根に近づくと次第に尾根が丸く 広くなっていく。しかしまた大きな時雨雲が山を覆い、視界はたった50m程にな る。県界尾根に出ると広いので磁石で方向を確かめながら行く。ほんの直ぐで頂上 だが、この間はずいぶん長かったような気がする。頂上に着くと早速立派な2階 建 ての避難小屋に潜り込み、吹雪を避ける。1日でここまで来て周りを滑り回 るのも良いかも知れない。時雨雲が行ってしまうまでしばらくここで酒盛りだ! 。しかし意外なほどみんな酒つまみを持参している。君たち一体何しに山に来た の?って言ってる本人が一番呑んでたりするかも知れない。

 白鳥山頂にて:左から古元、林、副枝、宮沢、武富、奥村、撮影:米山

<日本海を見ながら粉雪滑降>

いい加減にペースが落ち、寒くなってきたので、もうぼちぼち行こうかと外に 出ると、なんと時雪が収まってきた。北には白い尾根の向こうに昨日と違い群青 色の日本海、新雪で白く染まった富山の平野までも見えてきたではないか。日差 しも現れ春の穏やかな光を我々に差し出す。ただ北方北ア方面はあいかわらず雪 雲の中だが、初雪山犬ヶ岳の斜面だけは見える。ほとんど木のない真 っ白な急峻(に見える)な地形はたかだか1600mの山にはとても見えない。 記念写真を撮って早速北面の滑降に移る。

最初は少し急だが北面なのあまり雪庇もなくふわふわの新雪を蹴立てて日本海目指 して滑降だ。標高が低いため全くの無木立の斜面とは言えないがまばらに生える 落葉樹の中をすいすいと抜けていく。途中カモシカと出合う。宮沢さんはカモシ カを転んでいる米山さんと間違えそうになったって。確かに彼は丸っこいし、登 山靴で滑るので思いっきり体を前に載せて滑るからカモシカと言うより熊さんの ようだなあ。次第に斜度が弱くなるとやや新雪が深すぎ、直滑降状になる。緩斜 面になる前に左の尾根の近くへ行かなければならない。標高950mでシールをつ け、40m程登って朝来た尾根に出る。ここからは日本海がより間近に見え、は るかから来るうねりや時雨雲の影が旅情を誘う。シールを外せばイグルーまでわ ずか十分、途中で地元のパーティに合う。東京から来たというと、へぇ、この山 そんなに有名だったんですかと驚く。こっちが物好きなだけだけど、海も綺麗だ し山スキーには良い山だよね

<一部には悪戦苦闘の下山>

イ グルーで腹ごしらえをして、もう一つ時雨雲をやり過ご し、下山に移るが 、今回はさっきみたいに順調では無い。雪は重くなるし障害物は増えていき、山 靴スキーの林さんとテレマークの副枝さんは苦戦、同じ山靴スキーの米山さんは 体が遅れるとむりやりぐっと前へ上体をかぶせてリカバル、流石。テレマークや ったこと無い私がテレマーカーの副枝さんにテレマークの指導をしているのもい とおかし。

最後の急斜面は二人はスキーを脱いで降りてきた。あとは林道上を上路まで直 滑降。フィナーレは境鉱泉とトラック屋さんが利用する地元食豊かな食堂で打ち 上げとなった。

白鳥山は標高も低く有名ではないが頂上に避難小屋もありなかなか山スキーに はお勧め。何よりも海が見えること、滑降が楽しめることが良い。東北方面の山 に比べ冬型も弱めなので2月ぐらいからいい時期だと思います。今回は天候、メ ンバーに恵まれ、のんびりした中にも、まさに米山さんの「海の見えるイグルー に泊まり、豪雪地帯の粉雪を滑ろう」のキャッチコピー通りに満足の行く山行に なりました。米山さんイグルーを教えて頂きありがとうございました。またどこ かでこんな事やりたいですね。







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