黒前武尊〜沖武尊と川場谷(2/2)  

さてまだ3時過ぎ、さらに無風快晴といえばここは一滑り楽しんで行かない手はない。当初北斜面の大沢源頭を滑ろうと思っていたが、風でシュカブラができ、スケールも今一つなのでやっぱり南面の川場谷を滑ることにする。南面で太陽に1日さらされているのに関わらず頂上直下は全くの粉雪状態、広い大斜面に自由自在にシュプールを描く。糸永さんは久しぶりのスキーで大変そう、武藤さんはいつものふわふわバタフライのウェーデルン、同じリズムで降りてくる。柳下君は華麗なテレマークターンを決めている。新雪ではテレマークはなかなか楽しそうだ。流石に1800M迄降りると、雪がゆるんでネ ットリとしてきて重くなる。そろそろ樹林も出てくるので、滑降はここま で。250M強程登り返してテントに戻る。

テントに帰るとさっそくウルメ鰯を焼いて、熱燗で乾杯。最初「くっ!!」が本当 においしい。本日のディナーは柳下コック長のちゃんこ鍋、料理にこだわった両大先輩も満足している。私も最近何故か鍋山行ばかりしている。 クック酒が進みちょっと静かにするとなにやらゴーゴーした音が聞こえてくる、噴火でもするのかと思って外に出たら、なんと川場スキー場のピステンが整地しているのが聞こえるのだ。確かにスキー場から2km足らず、無理もないがちょっと興ざめでした。

photo:川場谷極楽滑降 → 

◆2/5 西俣沢滑降〜荒砥沢〜武尊スキー場

 流石に翌日まで晴とはいかず、小雪が舞っている。もう一回川場谷を滑って行こうかとも考えたが、親睦山行なので、早く戻って山スキー講習会組に合流を試みることにした。出発準備を済ますと、武尊牧場パーティが丁度ピークから降りてくるところだったのでこれを待ち、挨拶を済ましてから出発。コルから西股沢へやや右寄りに下っていく。最初は大斜面だが、次第に林間コースとなる。雪質は林間の方が遥かによい。左俣の底まで、高差400Mほど快適な滑降を楽しむ。ここから1910のコル状まで登り返すのだが、ここがまた開けていてじつに良い斜面だ。コル状からまた荒砥沢1750mまで滑り、ここからほぼ水平にトラバース、スキー場を見おろす尾根まで出てスキー場に滑り込む。前武尊からの沢に滑り込めば更に楽しめるのだがゲレンデからまる見えなのでここは遠慮しておとなしくゲレンデを降りよう。相手も人間だから、向こうの嫌がることは避けるのが共存の条件だから。山スキー講習会パーティはまだ山腹にとりついているようなのでリフトに乗って少し登り返すと彼らと出会う。

今回のコースはスキー場の起動力をフルに利用して、本来ならば充分日帰りも 可能なコースだが、厳冬季とゆう季節、親睦の目的と参加メンバーの体力を考慮して1泊しそのかわり頂上付近の滑降を楽しむことができた。季節とメンバーによっては川場谷滑降を含めて日帰りも充分可能であろう。ただ、川場谷は真南に向いているので、雪質の良い時間帯、季節は限られたものになる。この2週間後に雪崩遭難が発生してしまった荒砥沢は確かに上部の急斜面で雪崩が一旦発生すると30度以上の斜面がかなり長く続き、相当下までデブリが達すると思われる。視界のない条件では行動は慎まれた方がよいし、このコースを取る場合にはかなり 下で荒砥沢左岸に渡るべきだと思う

◇ 記録 ◇

2/4 快晴

 ゲレンデtop10:10→前武尊2039m10:50〜11:10→荒砥沢1800m→家の串東尾根1910m→主稜線(中ノ岳・家の串コル)12:50〜13:15→三ツ池(B.C)13:45〜14:40→沖武尊15:10〜15:25→川場谷1900M付近→B.C16:20

2/5 曇り一時小雪

 B.C8:30→西股沢滑降左股1750m→家の串東尾根1910m10:10〜30→荒砥沢1770m→前武尊東尾根1750m→武尊スキー場ゲレンデ1650m11:10

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