▲ Junction Peak      


  94年4月2日〜3日 <北アルプス>

焼    岳    

 文:武藤 俊雄      

◆日程 :前夜発1泊2日(車)

◆コース:坂巻温泉〜下堀沢出合台地〜下堀沢右岸尾根〜高天ヶ原〜焼岳〜下堀沢右岸尾根〜梓川〜坂巻温泉

◆メンバー:島田、伊藤、武富浩、武藤

◆地図(1/2.5万図):焼岳 

               

焼岳のスキー登山と云うのは、近年まで紹介されていなかった様に思われる。実際、自分で今回トレースしてみて、大変素晴しいコースであることを実感した。

初日は下堀沢出合迄と云う事で、東京を早朝出発。途中車の思わぬトラブル発生の為、坂巻温泉到着迄、意外な時間を取られてしまう。

◆4月2日(晴れ)  坂巻温泉よりスキーをザックに付け歩き出す。釜トンネルの中はアイスバーンの所もあり、気を使わされる。トンネルを出た所よりスキーを付け、梓川へ降り対岸へ渡る。梓川右岸をしばらく進み、下堀沢出合の左岸台地へベースを張る。途中左手より一ヶ所デブリが出ている。ここは常にありそうなところだ。

◆4月3日(晴)  翌朝快晴、穂高岳の美しいモルゲンロートで朝を迎える。右岸尾根の取付きが急登で苦しい。キックターンを繰り返す。次第に傾斜も緩んでくる。 白樺、ダケ樺の樹林を抜け、2000m付近の高さになると、針葉樹の美しい広々とした所へ出る。気分の良い所だ。高天ヶ原と呼ばれている辺りだ。天幕場としても好適地だろう。穂高の連山、焼岳の展望で申し分ない。 再び尾根を登る様になってくると、左手前方に乗鞍岳の眺めが一段と広がってくる。大きな山だ。尾根を忠実に辿り、山頂を正面に仰ぐ小広い所で風を避け休息を取る。一名を残し三名で頂上を目指す。正面を直上する場合は雪質により、スキーかアイゼンかの選択を迫られる所である。 頂上からは午後の日差しをいっぱいに浴びた穂高、乗鞍をはじめとする雪の峰々の展望が広がっていた。一名の待つ所へ戻る。我々が降りた時、その一名も登ると云い出したので、今度は我々が待つ番となる。四名が揃い滑り始める頃は雪質が悪くなり出し、滑る快感は味わえなかったが、天候に恵まれたスキー行であった。坂巻温泉の湯舟の何とここち良かったことか。 このルートは南面から東面に向いているので、クラストする前の早い時間帯に降りてくるのが良いだろう。又、時期としては厳冬期が最も楽しめると思う。



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