◆Junction Peak 


  94年3 ・9日〜 21日   【 越 後 】

巻機山・奈良沢川源流を滑る

写真・文:木下久義       

◆日程 :前夜発2泊3日(車)

◆コース:清水〜巻機山〜ブサノ裏沢〜上ゴトウジ沢出合(B.C)泊〜トトンボ尾根 〜上ゴトウジ沢滑降〜泊〜ブサノ裏沢中間尾根〜上トトンボ沢滑降〜泊〜トトンボ尾根〜米子頭山〜米子沢〜清水

◆メンバー:木下、島田、吉田、村松

◆地図(1/2.5万図):巻機山、奥利根湖


 巻機RR頂(ブサノ裏源頭にて)

◆3/19 快晴

 登るにはもったいない程の快晴。汗だくになって登る。井戸の壁も、ニセ巻機の登りもシールで登れる。巻機山ピークでのビールは最高。普段飲まない島田さんも「おいしい!」という。2年前に滑ったブサノ裏沢はガスの中で何も見えなかったが、今日はすべてを見せている。この源頭部はすばらしい斜面だ。午後遅くなり、クラストし、モナカ雪になってしまったのは残念だが、まさに山スキーのためのスロープだ・・・!

白き山々に囲まれたブナ林の一隅にB.Cを作る。

◆3/20 晴〜霧

 上ゴトウジ沢出合よりトトンボ尾根に取付く。トトンボ尾根下部はブナ林の美しい尾根。上部はアイスバーンとなっているので米子頭山まで登らず1720m付近より滑降。1670m付近より上ゴトウジ沢へ滑り込む。少し下ると、やや重い新雪、vい思いの円弧を描いて沢底へ。風這い鞍部の雪庇が大きい。快適に上ゴトウジ沢出合に到着。

 吉田、村松両氏は昼寝をしにB.Cへ。私と島田さんと上トトンボ沢を滑りにブサノ裏沢との中間尾根を登る。登るにつれガスが出てきたので、視界のない中滑るのも不快なので1700m付近で登行を打ち切り、滑降に入る。山スキー向きの快適斜面。フィルムクラストの雪面をどんどん飛ばす。奈良沢川源流部は様々なスキールートがとれ、何日も滞在したくなる。明日は下山か・・・。
上ゴトウジ出合上 

◆3/21 雪

 風強い冬型の気圧配置となり、夜半より風雪が強い。国境稜線を越えないと下山できない。降雪は少ないが風が強く、トトンボ尾根上部では耐風姿勢をとらされる。米子頭への最後の急登はアイゼンに替えて慎重に登る。

 稜線では強い西北風が待っていた。コンパスで方位を確認。奥利根側の雪庇、シュルンドを念頭に風に抗して北上、そして米子沢側へ高差50m程下るとウソの様に風が弱くなる。

 ここからスキーをつけ、米子沢へ尾根状を滑るが、エスケープルートとしては中々良いコースでアイスバーンと新雪というむずかしい雪質ながら、緩急のあるブナ林の楽しいルートでした。沢筋に出てからはルートを考えることもなく、スキーを滑らせれば、すぐに清水の集落であった。


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