◆ Junction Peak

【北ア】  94年4月29日〜 5月 3日                
 
白高地沢〜ゼンマイ池・五輪山〜黒斑山〜山ノ坊スキー縦走
 
                      文、写真:木下 久義

 

◆日程 :前夜発4泊5日(車)

◆コース:栂池スキー場〜天狗原〜蓮華温泉〜平馬ノ平〜瀬戸川c1〜白高地沢 〜小桜ケ原〜ゼンマイ池(c2停滞,c3)〜小桜ケ原〜 白高地沢1750mc4 〜五輪山〜黒負山〜聖山〜山ノ坊

◆メンバー:木下、武藤、吉田、村松

◆地図(1/2.5万図):白馬町、白馬岳、小川温泉、黒薙温泉、越後平岩、小滝                   

 久々の長期休暇のGWに期待して出かけたが、不安定な天候と当たらぬ気象判断とで当初の計画が実行出来ず、メンバーともども要求不満気味であったが、昨年からの課題の黒斑山〜山ノ坊がトレースできて、何とか当初目的の1つを実行できた。

◆4/29 晴→雨→曇
<栂池〜蓮華温泉〜瀬戸川橋>
 白高地沢への定番侵入路である栂池〜天狗原〜蓮華温泉〜瀬戸川をトレース 蓮華温泉着が当日の3パーティー目であったから1週間分の荷でまずまずのスピードであったのかな?蓮華温泉でビールを仕入れて瀬戸川へ滑り込む。 橋を渡り対岸へ上がるところで木下がトラバースのステップを切っているところでステップが崩れ川へ落ちる。浅瀬でヒザまで水に入ったが、靴を濡らしただけで済んだ。安易な行動で反省...。(真上にステップがついていたのに)瀬戸川を渡ったところでc1。

◆4/30 霧→晴→雨
<白高地沢〜ゼンマイ池>
 濃密なガスの中を出発。ひょうたん池を過ぎる頃よりガスが上がり、朝日岳の白く大きな山容に向かって登高する。誰もいない広大な白高地沢を登り、1750m 付近より左手の小桜ケ原への鞍部を目指す。

 小桜ケ原で一本を取っていると再びガスが出てきたので、急いでゼンマイ谷へ滑降する。谷は少々複雑な地形で雪も少なく所々水音がする。

 ゼンマイ池はシラビソとダケカンバに囲まれた小平地で白馬旭〜清水岳〜猫又山の展望が素晴らしく、柳又谷上ノ廊下の切込みが迫力ある。この朝日岳の懐にBCを置き、朝日岳南西面を滑降しようというわけだったが・・・。

 再びガスが晴れたが、まだ日数もあるのでガツガツせずに眼前の景色を肴に午後の残照を浴びて酒宴にする。

◆5/1 雨→霧
<停滞>

 明け方より雨音が強くなる。本州中部に停滞前線ができている。1日中停滞。フライから溜めた水で水を作る必要はなかった。

◆5/2 霧→曇
<白高地沢へ移動>

停滞前線の動きは遅く、今朝も濃密なガス。朝鮮半島から東シナ海に大きな気圧の谷があり、チャンスを逸すると後半の縦走があやうくなるので白高地沢へ戻ることとする。 視界20m位、コンパスと高度計で小桜ケ原へ出る。南風が強い。鞍部から白高地沢へ滑り降り、1750m付近のブッシュを風よけにしてc4を作成。

 この頃より、次第にガスが晴れ、もう少し待てばと悔やまれる。相変わらず風は強く、上部へは進まず。

◆5/3 晴 <五輪山〜黒斑山>

 待望の晴れである。5/4〜5は低気圧の接近で期待できそうにないので、今日一気に山ノ坊まで縦走することにする。c4から長栂山〜五輪山までスキーを引いて登る。雪が締まっており、軽快。朝日岳の山容がどんどん変わっていく。

 鞍部から五輪山へは樹林が濃く、不快なので北面の東俣谷の源頭をトラバースする。この長栂山と五輪山、黒負山に囲まれた源頭はスキー向きのすばらしい斜面だが先を急ぐのでパス。トラバースを終え、広い斜面に大きな弧を描く。なかなか快適。

 黒負山の登りは上部で雪堤が崩れたところを登る。まだ死後そうたっていないと思われる若いカモシカの死体がシュルンドの中にあった。最後の10m位が雪壁状に垂ネっていたのでヤブに入り、山頂へ出る。

<黒斑山〜聖山〜山の坊>
  黒斑山〜聖山手前の鞍部までの高差600mは快適な山スキーの滑降コースであった。 緩急のある尾根を滑り、シラビソの林を抜け、ブナ林をトラバースし、谷コースの様な大斜面はないが変化に富んでいて楽しい。この鞍部でとっておきのビールを出す。ウマイ!のどかなひとときをすごす。ここからはシールをつけ登る。聖山から振り返る黒斑山の山容が大きい。

 聖山からは稜線が細くなり、雪を拾って尾根の右へ左へとトレースする。 P1401の先の尾根には雪がなくなっているので右手の山腹をトラバースしてP1155付近に出る。うまくショートカットできた。 赤禿山は雪がかなり少なくなっているので、上部まで林道が出ているガレ沢へ下り、林道に出た。林道の雪を拾って標高750m付近までスキーを使うことができた。後はスキーを担いで、新緑やミズバショウの群落に目を楽しませて山ノ坊へ下る。

  林道が山ノ坊の集落に出たところに酒屋があり、ビールで乾杯。ここのおばさんが何かと便宜を計ってくれ素朴な親切がとてもうれしかった。。

  


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