◆Junction Peak
【東 北】94年4月23、24日
月山から肘折温泉へ
 
                      文:島田 寿美子

 

◆日程 :前夜発1泊2日(車)

◆コース:月山スキー場〜月山山頂〜念仏ヶ原泊 〜大森山〜肘折温泉

◆メンバー:島田、武藤、柳下、大宮、  小川、尾木原(トマの風)

◆地図(1/2.5万図):月山、肘折                   

◆4月23日

 前日は仕事を終わって遅い集まりとなってしまった。運転する人にとっては大変で、申し訳なく思うが、疲労のたまっている私は、すぐに寝入ってしまった。目を覚ましたら、もう山形だった。

 肘折に降りると、山形駅に車を置くのが良いのではあるが、駐車料をきいたら1夜7000円、2台でと考えると、渋ってしまった。それならと、左沢線のどこかへ置こうと、さらに車を走らせた。しかし良いところが見つからず、置く場所を探すのに、あっちこっちと3〜4回行ったり来たり。やっと落ちついたのが、羽前高松でした。幸いにここは無料でしたが、結果的には時間のムダを強いられてしまった。

 ここからバスでスキー場まで乗る。ヤレヤレである。しかし、ここでまたあてが外れてしまった。月山口迄しか行かず、乗り継ぎのバスは、2〜3日後日の時刻表だったんです。ここでタクシーを呼ぶしかない。売店に聞きに行ったら、どうもスキー場に行きそうな人達がいる。ワゴン車で行くような ので、頼んでみたら、うれしい事に乗せてくれるとの事。やった!と思ってしまった。福島キャノンの奥田さんの一行だった。石跳川を下るという事で、私たちは肘折と云ってお礼をいう。

 天気は曇で、風も少しある。数パーティーが山頂をめざしている。月山に行く時、いつも四谷川の源頭は風が通り抜け、行けるのか心配になるが、内心心配はしていたが、頂上に着いてほっとする。数パーティーが風をよけながら休んでいる。
 他パーティーはスキー場に戻り、私達だけが山越えをする。天気は今にも降りそうだが、思い切って広大な斜面に飛び込む。すばらしい。ザラメで、緩斜面がどこまでも続く。皆、とても良い顔をしている。

 今日はダウンヒルで本沢まで一気に下るルートを取り、やがて1500m付近の台地の切れる所に来た。地図で見てもクレバスの出来そうな地形だが、今年も口を開いている。慎重に降りる。ここは一つ目のポイントだろう。振り返ると、左右どちらもずっと見渡す限り、1500mの等高線位にクレバスが入っている。そしてまだまだ、長い長いダウンヒルが続く。
 本沢を渡るため、小さい沢状の所を下ると、本沢に着いた。あるという橋は見あたらず、沢は雪がしっかりついている。対岸の小さい沢を登ると、念仏ヶ原の一角に飛び出した。天気が持ってくれた事に感謝しつつ、一休みする。明日の天気が心配で、皆で相談し、今日視界のあるうちに先に進んでおこうという話になった。

 念仏ヶ原にある小屋は、地図になく、念仏ヶ原のどこにあるかわからないが、P1185目がけスキーを進ませる。前方に小屋らしい屋根が見えたので、そちらに進路をとる。それは新しい小屋で、入口は掘られていた。中をみるととっても気持ちの良い所で、先に進んで行こうなんていう気持ちが、もろくくずれてしまった。だって、布団も毛布も、そして、木の匂いがうれしいから。
 明日の天気が心配で、若い人達にP1185からP1116に行く屈曲点に赤布をつけてくるように頼んで、私は夕食の用意を始めた。小屋はもったいない位快適で、夜、みんなぐっすり寝ついてしまった。

◆4月23日

 朝、おそるおそる外をのぞくと、視界がきいている。ラッキーだ。子岳付近はクレバスが出来ていたが、さしつかえなくスキーを進ませる。
 P1180付近より沢を下る。だが、ここで私はルートミスをしてしまった。滑りにまかせたら、地形がおかしい。地図を見直すと、一本隣の沢に入ってしまっていた。雪が締まっているので、シールを付けないでツボ足でルートを修正する。ヤレヤレでした。

 978m地点に着くと、大森山がいやに大きい。沢に滑り込み、尾根上に登り返し、大森山を目ざす。しかし、尾根上は雪がついておらずヤブこぎとなるので、雪のついている尾根の左の平坦地に戻って、大森山のコルを目ざす。
 大森山は少々急だが、トラバースは時間がかかりそうなので、登ることにした。大森山の急な下りをこなすと、やがて林道が現れ、やがて肘折温泉が見えてきた。温泉までしっかり雪がついていて、とてもラッキーだった。

 運良くバスが新庄まで出るところで、間に合ったけど、温泉は入らずだった。しかし、前日の車の回収が大変だった。延々電車を乗り継いで、4時間かけてやっと回収できた。車の回収方法は考え直す必要ありです。しかし、長い滑りとルートのおもしろさは、それをずーっと上回って、メンバーの協力でとても楽しい山行でした。  


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