▲ Junction Peak      


    94年 4 月 4日 【 越 後 】

ムジナ沢から浅草岳   

 文:野々村 一平      

◆日程 :越後駒(未遂)より継続(車)

◆コース:浅草山荘〜ムジナ沢〜浅草岳(往復)

◆メンバー:野々村

◆地図(1/2.5万図):浅草岳           

 前夜からの悪天候で、結局越後駒には上れなかった。東京へと帰るみんなと別れると、急に淋しさがやってきた。いっしょに帰れば良かったかなと思うが、気を取り直し、再び車を走らせた。

小出の町で食料を買い、一路、浅草岳へ。

破間川にかかる、赤い大きな橋を渡ると、右側に登山者相手の宿がある。宿の前には十数人の登山者が帰り支度をしていた。

その中のひとりに声を掛け、山の様子を聞くと、上は風が強く、誰も頂上に行かれなかったと云った。

宿の脇の駐車場に車を止め、濡れた物をかわかし、時間をつぶした。

◆4/13:快晴  ムジナ沢へは、浅草山荘の前より登って行く。前日に、スキーヤーのつけたシュプールが入り乱れている。ルートが解りづらいが、尾根を越えて降りた所がムジナ沢だ。 沢に入り、少し行くと右より小さな沢が有り、水が流れている。ノドをうるおす。こんな事も、春スキーの楽しみだ。傾斜もゆるく、単調な沢の中を登って行く。無風快晴で、自分のスキーを走らせる音と、小鳥の声しか聞こえない。所々、丘のように盛り上がっているのは、下にある滝なのだろうか。 しばらくすると、後から中年のテレマーカーが登って来た。ひと言ふた言、声を掛けると、先に登って行ってしまった。 谷が狭くなり、再び広くなる。ここからは沢を離れ、左の尾根に取り付く。スキーを脱ぎ、ひきずってぐんぐん登って行く。一時間位で尾根に出た。 P1484は右から巻き、前岳へ。浅草岳は、目の前だ。頂上直下は、ブッシュが出ているので、スキーをデポして行く。 頂上からの眺めは良い。眼下には、緑色をした田子倉湖が見える。先行していたテレマーカーのそばに寄り、食事をする。彼は地元の人で、この辺は良く登っていると云っていた。特に守門は良いとの事。 ゆっくり休み、話もつきたので出発する。やはりテレマーカーは先行して行ってしまった。デポ地までもどり、スキーをはく。 前岳まで斜滑降で進み、ここより直接ムジナ沢へ滑り込む。谷は開けていて気持ちの良い所だ。アッという間に谷底へ。あとは、ゆるい沢の中を滑って行く。 尾根を越え、急斜面を滑るとほどなく浅草山荘の前へ出て山行は終わった。 山荘の風呂にはいると、またまた、テレマーカーが入っていて、サングラスをはずした顔は若く、そのギャップの大きさに思わず驚いてしまった。

   


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