▲ Junction Peak 

94年6月18日  < 足 尾 >

松木川・ウメコバ沢      文:高澤 睦雄       

◆日程 :前夜日帰り(車)

◆コース:松木三川ダム−ウメコバ沢−石塔尾根−三川ダム

◆メンバー:高澤 吉田 大宮

◆地図(1/2.5万図): 中禅寺湖

庚申谷で日曜に行われる渡渉訓練の前日を利用して近くの足尾の沢に行って来ました。  7日夜渡良瀬渓谷鉄道(旧国鉄足尾線)間藤駅でS・B18日 5時54分一番電車(実はジ−ゼル)の音で目が覚める、誰も起きる気配無くまた寝てしまった。 一時間程して「やっとこ」起きだし、裏山を見ると日本ザルの群れが移動中だった。大きな群れで、子ザルを抱いたサルだけでも10匹以上いたと思う。 三川ダムを過ぎ石塔尾根末端に私の車をデポし、吉田氏の車で夏小屋沢出合まで入る工事用道路はウメコバ沢手前の最終堰堤の先まで続いていて、整備され、歩きやすかった。圧倒的なウメコバ尾根末端壁の先に深く切れ込んだウメコバ沢が見えてくる、出合いから滝が連なり両岸は数十メートルの壁となっていて、かなり威圧的だ。 10m15m4mの滝は左岸に残置ロープが下がっているが、全てフリーで越せる連瀑を過ぎるとゴーロが続き20の直瀑が出てくる、これは手がでず左岸のガリーを登り左にトラバースして滝落口の先に出る。その先またゴーロが続き25mの滝が出てくる、左側が登れそうだが落口がスラブになっていて難しそうだ。高巻きも出来そうになく,残るは滝の右側(左岸)しかない。岩は大まかだけれど中段でシャワーになる。 初めてザイルをつけ取りつく、岩はぬめっていて悪く高度感もある。中段でシャワーになりズブヌレになってしまった。下から「残り5メートル」と声がとぶ、上はまだ10メートル以上ありそうなので大宮氏に一段上のテラスまで登ってもらう、滝の落ち口はナメになっていて、40メートルは越えそうだ。中間で2本、登り切ったところで2本ハーケンを打ち確保する、落ち口の左に残地のハーケンとシュリンゲがあるが滝の左側はフリーでは登れそうもないので氷瀑用の残地と思われる。この大滝で1時間半かかってしまった。 その先難しい滝は無くザイルを出したのは大滝のみであった。二股では左のほうが稜線に近そうであったが、上部が見通せ無かったので右の本流を進む、湧水になって水の切れたところで遡行を切上げ、踏跡(鹿道)をたどって左に左に登っていくと、気分のよい草原状の稜線に出た。 この辺の山は変わっていて、森林限界線(?)の上が緑で、下は草木の無いガレ山になっている。足尾銅山の煙害によるもので、こうなってしまうと、植林も大変でなかなか根がつかないようだ。 気持ちの良い石塔尾根を下りはじめる、至る所で日本鹿を見る、一度は先頭の大宮氏から4・5メートルのところで子鹿が飛び出しびっくりさせられた。鹿も隠れていたのだがどんどん人間が近づいて来るので、我慢しきれずに飛び出したようだ。石塔尾根は2時間で下れると思ったけれど、以外と長く最後は仁田元沢に降りてしまった。林道を15分位歩くとデポ車のところに着いた。吉田氏の車を取りに行き、町で買い出しをして、明日の渡渉訓練のため銀山平えと向かった。



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